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防音ドアの製作

防音室の外壁とドア枠が出来上がりましたら、次は防音室のドアの製作です。
当初既製品の普通のドアや、防音扉も検討してみたのですが、なんせ価格が鬼のように高くて、
とてもじゃありませんが手が出ません。
防音室のドアもやはり自作するのが一番安くすみそうです。
さてドアを自作する事になったとはいえ、どのような構造にすれば良いのでしょうか。せっかく自作するのであればなにか良いアイデアを取り入れたいものです。
色々と考えた末、わたしが作る防音扉は、防音室には欠かせない換気扇用の吸い込み口(サイレンサー付き)を兼ねた構造の扉にしようと思います。
かんたんに言葉で説明しますと、防音扉の内部が空気の流れを妨げる、ちょっとした迷路のようになっているという物です。
防音室の中での作業

今回の防音室のドアは、杉荒材を2枚の針葉樹合板(コンパネ)ではさんで、サンドするという構造にしました。
まずはホームセンターのパネルソーでまっすぐにカットしてもらった針葉樹合板に、
毎度おなじみの杉荒材を所定の位置に、コーススレッドで固定していきます。
写真は防音室の中で2枚の針葉樹合板を並べて撮影した物です。
外壁と屋根が完成し、周りが石膏ボードに囲まれていますので中は結構暗いです。
防音室の中で作業するときは、照明も点けなければならなくなり、写真もデジタルカメラのフラッシュを焚かなければ写らなくなってきました。
ドアノブ用の穴あけ

次にドアノブの中にある、7mmの角棒を通す為の穴を加工していきます。
自分でドアノブの分解した事がある方は分ると思いますが、
通常は片方のドアノブと、もう片方のドアノブをつないでいる7mmの角棒があると思います。
この角棒をドアの内部に貫通させ、動くようにしてしまわないといけませんので、
まずは7mmよりも大きい穴を扉に空けていきます。
今回は鉄用の10mmのドリルで穴を空けていますが、木製用のドリルは100円均一でもたくさん種類がありますので、
かなり便利だと思います。
穴あけ完了

無事に直径10mmの穴あけが終わりました。
まぁ今回の作業で特に難しい事はしておりませんが、注意する点を一応書いておきます。
いきなり10mmの大きさのドリルで空けるよりも、あらかじめ3mm前後の大きさのドリルで
穴を空けてからその後10mmのドリルで穴を空けると、穴の位置がずれにくくなります。
この作業の事を「下穴作業」、又は一般的に「下穴を空ける」と言うそうです。
木工よりも鉄工でこの下穴作業は特に有効のようです。ただし鉄工では(鉄に穴を空ける時)、「センターモミツケドリル」
を使うとさらに穴位置がずれにくくなります。
吸音材の貼り付け

防音ドアの中に貼る吸音材はパンチカーペットを使用します。
わたしが作る防音ドアは先に説明したように、防音ドアの内部が換気扇の為の空気取り入れ口となっています
いわゆる空気の通り道があります。空気の通り道があるという事は、当然音の通り道もあるわけです。
そこで空気だけを通して音だけを遮断したいという事で、防音ドアの内部に吸音材の為のパンチカーペットを張ることにしたわけです。
防音ドアの内部が換気扇のサイレンサーの役目を果たすという事です。
タッカーの登場

防音ドアの中にパンチカーペットを敷き詰めていきますが、固定するには何が良いでしょうか。
両面テープは意外と価格が高いですし、接着剤などののり系は施工が大変そうです。
安く出来て、なおかつかんたんにと考えたときに、タッカーで固定し貼り付けていくのが良さそうです。
建築関係のお仕事をされている方や、DIYが好きな方にはおなじみの道具だと思います。
昔からある、一般的なホッチキスの様なもので、ただ単にホッチキスの大きさが大きくなっただけと言うのがタッカーです。
タッカーで貼り付け

パンチカーペットをタッカーで貼り付けていきます。
防音ドアの内側になる面にすべてパンチカーペットを貼り付けていきます。
これは空気の通るところは当然音も通り反射しますので、この反射をする時に音エネルギーを吸収してしまおうという物です。
パンチカーペットがどの程度の吸音効果があるかは実際に貼ってみないと分りません。
コーナー部分の処理

まっすぐ平な面はかんたんに貼ることが出来ます。
しかしコーナー部分は案外コツが要ります。しかし何度か作業していくうちに、
うまくコーナー部分に沿ってきれいに貼り付けていけるようになりました。
コーナー部分で重なったパンチカーペットの片方に切れ目を入れていくと、きれいに重ねる事ができます。
仕上げにヘラや定規などで角部分を突いてから押さえていくと、きれいに仕上げる事ができました。
自作防振材の作り方

防音ドアの内部にすべてパンチカーペットを貼り付けました。
写真では手前側に貼り付けるもう一枚の針葉樹合板が写っていませんが、
針葉樹合板の内側にもパンチカーペットを貼り付けました。
防音ドアの中を通る空気の流れは、右上から入ってきた空気が真ん中の道を通り、左下に抜けていきます。
空気が入ってきてから、道を通る間に音が少しずつ吸音されて、さらに折り返しのところで大幅に吸音されてくれれば計算どおりです。
しかしうまくいくかどうかは、実際に使用してみないと分りません。防音室完成後に効果を確認するのが楽しみです。
吸排気口を作る

針葉樹合板で蓋をしたら防音ドアの本体部分は完成です。
次に先程作った防音ドアの中に空気を取り入れる為の吸排気口を作らなければなりません。
形は四角でも丸でもどんな形でも良いと思います。
とりあえずわたしは家にあった「鉛筆立て」で型を取って、その形に切り出しました。
鉛筆の線に沿ってドリルで何箇所も穴を空けていきます。そしてその穴に沿って細いボード切断用のノコギリでギコギコと切断していきました。
針葉樹合板を切断していくときは、目の細かいノコギリの方がきれいに切れる事が分りました。
目の粗いノコギリでは、針葉樹合板の繊維の荒さに引っかかってしまい、ところどころギザギザになってしまいます。
見事に切り抜きました

見事に針葉樹合板の切り抜き作業が完了です。
鉛筆で書いた線に沿って、ほぼ正確に切り抜くことが出来ました
今回はボード用の細いのこぎりを使用しましたが、丸く切り抜くことが出来るホールソーなどを使用しても、
かんたんに切り抜くことが出来るかもしれません。
防音ドアの表側に一箇所穴を空け終わったら、裏側にももう一箇所同様の穴を空けていきます。
防音室の外側のきれいな空気を取り込む穴と、そのきれいな空気を防音室の内側へ取り入れる穴と言うわけですね。
蝶番の取り付け

防音ドアの本体が出来上がったら、実際に防音ドアを防音室に取り付けていきます。
市販されている防音ドアもそうだと思いますが、わたしが製作した防音ドアもかなりの重量があります。
厚みは約70mm前後ありますし、重量も20kg以上はあるのではないでしょうか。
この非常に重い防音ドアを支える為には結構厚みのある、頑丈な蝶番を使用しなければ、後々防音ドアが下がってくる事にもなりかねません。
だからと言って厚みのある蝶番を使用すると、防音室のドア枠と防音ドアの隙間が約3mm程度しかない為、防音ドアの開閉が出来なくなってしまいます。
彫刻刀で彫ってみました

そこで防音ドアの開閉が出来なくなる事を防ぐ為に考えつきました。
蝶番が出っ張るのであれば、蝶番の取り付け箇所を凹ませれば良い訳です。
大工さんであればうまい具合にホゾ加工の様な感じで仕上げていくと思います。
しかしわたしは素人ですので、中学校?で習った事を思い出しながら、彫刻刀でコツコツと仕上げてみました。
思っていたよりはきれいに仕上げる事ができたと思いますがいかがでしょうか。
ドア枠と防音ドアの隙間

蝶番も無事に取り付ける事ができましたので、あとは防音ドア本体を取り付けるだけです。
防音ドアを閉めたときにまっすぐなるように取り付けないと、ドア枠と防音ドアの隙間が斜めになってしまいます。
このドア枠と防音ドアの隙間は3mm程しかない為、まっすぐに取り付けないと防音ドアの開閉が出来なくなってしまいます。
今のところ写真で分ると思いますが、きれいにまっすぐ取り付ける事ができました。開閉もスムーズに出来ます。
<<ドア枠 グレモンハンドル>>

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